笑わせられて、考えさせられる?

2015/09/03東京

笑わせられて、考えさせられる?

8月がおわりましたね。今年はとても暑い夏でしたが、急に涼しくなると、暑かった夏がまぶしく思えてくる天邪鬼な感傷もわいてきたりします。

今年の夏は、戦後70年ということで、繊研新聞でも「FB戦後70年」という連載をしていました。
連載スタートの第1部のなかに『ファッションは生活を映す鏡であり、暮らしの象徴でもある。人々がよりよい生活、豊かな暮らしを求める限り、FBは歩み続ける』とありましたとおり、お洒落を自由にたのしめる日本と世界であってほしいとおもいます。
また、どんな時も、ユーモアをもって考えて取り組める人をすこし見習いたいとおもうのですが、みなさんは、イグノーベル賞をご存知ですか?
1991年に創設された「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に対して与えられる賞で、例えば、過去の受賞は下記のようなものがあります。


【1993年:文学賞】
(受賞者)E・トロパル、R・カリフ、F・ヴァンドワーフ、P・W・アームストロング 他972名
(授賞理由)ページ数の100倍の人数の著者がいる医学論文を発表したことに対して。

【1997年:経済学賞】
(受賞者)横井昭裕(ウィズ株式会社)、真板亜紀(バンダイ株式会社)
(授賞理由)数百万人の労働時間を、仮想的なペットの飼育に転換したことに対して。(「たまごっち」のこと)

【2001年:公衆衛生賞】
(受賞者)チッタランジャン・アンドレイド、B・S・スルハリ(インド、バンガロール。国立精神健康脳科学研究所)
(授賞理由)「思春期の少年にとって、鼻をほじくることは普通の行動である」という医学的発見を突き止めたことに対して。

【2002年:平和賞】
(受賞者)佐藤慶太(タカラ株式会社社長)、鈴木松美(日本音響研究所所長)、小暮規夫(小暮動物病院常任理事)
(授賞理由)コンピュータによって自動的にイヌ語(犬の言葉)をヒト語(人間の言葉)に翻訳する機械「バウリンガル」を発明し、種の間の平和と調和を促進したことに対して。

【2006年:鳥類学賞】
(受賞者)アイヴァン・R・シュワブ(カリフォルニア大学デービス校)、フィリップR・A・メイ(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)
(授賞理由)なぜキツツキは頭痛がしないかを研究し解説したことに対して。

【2007年:化学賞】
(受賞者)山本麻由(国立国際医療センター研究所)
(授賞理由)牛の糞からバニラの香りと味のする物質(バニリン)を抽出したことに対して。

【2008年:生物学賞】
(受賞者)マリー=クリスティーヌ・カディエルジュ、クリステル・ユベール、ミシェル・フラン(フランス、国立トゥールーズ獣医大学)
(授賞理由)イヌに寄生するノミは、ネコに寄生するノミより高く飛ぶことを発見したことに対して。

【2012年:音響学賞】
(受賞者)栗原一貴(産業技術総合研究所)、塚田浩二(お茶の水女子大学)
(授賞理由)自身の話した言葉をほんの少し遅れて聞かせることでその人の発話を妨害する装置、 「スピーチジャマー(SpeechJammer)」を発明したことに対して。

【2014年:物理学賞】
(受賞者)馬淵清資、田中健誠、内島大地、酒井利奈(北里大学)
(授賞理由)人間が床に置かれたバナナの皮を踏んでしまった際の、バナナの皮と靴の間の摩擦、およびバナナの皮と床の間の摩擦の大きさを計測したことに対して。


イグノーベル賞のことは、最近読んだ本「錯覚の科学」の著者、ダニエル・シモンズ、クリストファー・チャブリスの2人が受賞していると文中にでてきたからですが、2人がおこなって2004年に心理学賞を受賞した実験には、本当に驚きました。
インターネット上に公開されている実験を眼にして驚いて、それで、本を読んだのですが、今回、イグノーベル賞のことを取り上げていると、「バンフ・マウンテン・フィルム・フェスティバル」という世界中のアウトドアファンに見られている映画祭のことも浮かんできました。
クライミング、登山、アウトドア、山岳文化、環境分野の映画上映で、以前、1度だけ観る機会があり、圧倒、圧巻、感動しきりの上映作品群のなかには、笑いに誘われる作品もあったことを思いだしました。昨年は、チケットが売り切れていたので、今年は行きたいです

皆さんも転職活動の息抜きに是非チェックしてみてください