2016/01/29東京
2015年度の全国百貨店売上について
こんにちは今回は先日発表されました「2015年度の全国百貨店売上」についてお話したいと思います。
全国82社(238店)の15年(1-12月)売上高は既存店ベースで前年比0.2%減の6兆1742億円と、4年ぶりにマイナスに転じた結果となりました。インバウンド(訪日外国人)の売上が大幅な落ち込み防止に寄与した格好でしだが、それでも衣料品については3.4%減。特に構成比の高い婦人服の売上が3.9%減と群を抜いている状況。
よって、上場大手アパレルの業績が低迷しており、14年の消費増税に伴う物価上昇で頼みの中間層は所得が増えず買い控えなどの消費環境の変化への対応が遅れたことに加え、15年には円安などの影響で商品コストが上昇したことが収益性低下の背景にはあると思われます。
ただ、主販路としてきた百貨店だけでなく、商業施設向けのブランドでも苦戦が続いているため各社の苦戦は市況要因だけではなく、構造的な問題が浮き彫りになったと指摘する向きもあり、1月になっても暖冬の影響で稼ぎ頭の冬物の店頭在庫が溢れているという話も耳にします。
こうした状況下で、人員削減や不採算ブランド・店舗の撤退など、収益改善に向けた構造改革、リストラの動きがまだまだ予断を許さない状況にあると感じています。